トムラウシ遭難不起訴
2018-03-11


■快晴
 ツアー参加者7人とガイド1人が死亡したトムラウシ山遭難(2009年7月)で、事故から8年が過ぎた昨年12月、ツアーを引率したガイド3人と主催会社(アミューズトラベル社)の元社長が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されていました。
 3月9日、釧路地検は被疑者全員を不起訴処分としました。
 この遭難事故は、初級とは言えないまでも、一般的なレベルの夏山登山ルートで8人が次々に死亡するという、非常に衝撃的なものでした。プロの登山ガイドが3人もついていて、高い料金を支払って参加した登山専門ツアーであったのに、参加者7人が死亡し、リーダーガイドも死亡しました。生還した人も含めて参加者の大多数が「低体温症」に陥ったものでした。
 遭難事故を避けられなかった責任は、まず引率ガイドにあるだろうと、だれでも考えます。その次に主催会社のツアー運営のやり方や、安全管理体制に問題点がなかったかと考えていくのが普通の流れです。ガイドにも主催会社にも責任が問えないなら、個々の参加者がそれぞれ責任を負うことになります。そんなことがあるでしょうか?
 でも、不起訴処分によって、ガイドも主催会社社長も責任が問われないことになりました。釧路地検があげた不起訴の理由は以下の通りです。
・サブガイド2人については、「死亡したリーダーガイドにツアー中止や安全なルートへの迂回を助言する立場にすぎず、助言を聞き入れられなかった可能性も否定できない。2人に事故を回避できる可能性があったとは認めがたい」
・リーダーガイドについては、「ツアー中止などを判断できる立場だった」 ですが、被疑者死亡のため不起訴処分だそうです。
・主催会社元社長については、「(同業他社と同様に)中止の判断は現地のガイドに一任している。現場にいない経営者が全ての危険を考慮し、中止を判断するのは極めて困難」
 以上を見ると、遭難事故の法的責任を問うことが可能なのはリーダーガイドただ1人です。しかし、すでに死亡しているので不起訴にした、ということになります。
 私たち(登山者、一般市民)は遭難事故の原因追究・検証と、再発防止に役立てるために、裁判が行われて、証拠ができるだけ数多く開示されるように期待しています。しかし、裁判は事故検証のためではなく、当事者間の権利の調整のために行われるのでしょう。
 遺族の皆さんも納得できるものではなく、「なぜ犠牲になったのか、本当の理由が何もわからない」など、落胆の声があがったようです。
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